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 会社法の問題例、いわゆるサンプル問題を11問程度本ページで公表致しましたので、学習して頂いて傾向を掴んで頂けたら幸いです。 本試験と傾向が似ている、会社法の短答式(選択式)の問題は行政書士の過去問題や司法試験の商法にもございますので学習の際にお役立て頂ければと思います。

問題1. 会社法において、用語の意義に関する以下のアからオまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア. 外国会社とは、日本の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。
イ. 公開会社とは、その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。
ウ. 大会社とは、資本金5億円以上又は負債総額が200億円以上ある株式会社をいう。
エ. 取締役会設置会社とは、取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。
オ. 親会社とは、株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
解答:ア

ア.誤り。 「日本の法令に準拠して」が誤りで、「外国の法令に準拠して」が正しい。(会社法2条2号)。
イ.正しい。 (会社法2条5号)
ウ.正しい。 (会社法2条6号)
エ.正しい。 (会社法2条7号)
オ.正しい。 (会社法2条4号)

問題2. 次の図は、持分会社の債権者に対する責任関係を示したものである。(  )に入る最も適切な語句の組合せを、以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。

ア. a. 有限責任   b. 合作会社   c.無限責任
イ. a. 有限責任   b. 合資会社   c.無限責任
ウ. a. 有限責任   b. 合作会社   c.有限責任
エ. a. 無限責任   b. 合資会社   c.有限責任
オ. a. 無限責任   b. 合資会社   c.無限責任
解答:エ

aは無限責任、bは合資会社、cは有限責任である。

問題3. 株式会社の設立に関する次のaからeまでの記述のうち、正しいものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a. 会社の設立に際しては、発起設立又は募集設立のいずれの方法による場合も、創立総会を開催しなければならない。
b. 設立時募集株式の引受人が払込みをせずに失権した場合、発起人は自らその株式を引き受けなければならない。
c. 会社の設立に際して、現物出資を行うことができるのは発起人のみである。
d. 会社設立の際の現物出資については、必ず裁判所が選任する検査役の調査を受けなければならない。
e. 会社の設立に際して、各発起人は設立時発行株式の1株以上の引受が義務付けられている。
ア. aとb イ. aとd ウ. bとc エ. cとe オ. dとe
解答:エ

a.誤 り。 募集設立の場合は創立総会を開催することが必要である(会社法5555条1項)が、発起設立の場合は必要がない。
b.誤 り。設立時募集株式の引受人が払込みをせずに失権したとしても、発起人がその株式を引き受けなければならないとする規定はない。
c.正しい。 (会社法34条1項)
d.誤 り。「必ず受けなければならない」が誤りである。会社設立の際の現物出資については、原則として検査役の調査が必要である(会社法33条1項)が、例外的に不要な場合がある(会社法33条10項)。
e.正しい。 (会社法25条2項)

問題4. 定款の記載事項において、以下のアからオまでの事項のうち、絶対的記載事項に該当しないものを1つ選びなさい。
ア. 目的
イ. 商号
ウ. 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
エ. 本店の所在地
オ. 取締役、監査役の数
解答:オ
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない(会社法27条)。
一. 目的
二. 商号
三. 本店の所在地
四. 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五. 発起人の氏名又は名称及び住所

問題5. 株主の責任と権利に関する以下のアからオまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア. 株主が負う責任の範囲は無限である。
イ. 株主の権利には自益権と共益権がある。
ウ. 株主は、剰余金の配当を受ける権利を有する。
エ. 株主は、残余財産の分配を受ける権利を有する。
オ. 株主は、株主総会における議決権を有する。
解答:ア
ア.誤 り。 「無限である」が誤りで、株主が負う責任の範囲は有限である。「株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする」(会社法104条)。
イ.正しい。自益権とは、会社から経済的利益を受けることを目的とする権利である。共益権とは、会社の経営に参与することを目的とする権利である。
ウ.正しい。 (会社法105条1項1号)
エ.正しい。 (会社法105条1項2号)
オ.正しい。 (会社法105条1項3号)

問題6. 株式の併合・分割・無償割当に関するaからeまでの記述のうち、誤っているものの組合せを以下のアからオまでのうち1つ選びなさい。
a. 株式を併合するには、その都度、併合の割合及び株式の併合がその効力を生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
b. 株式の併合は、資本金の額の減少及び会社分割の場合に限って行うことができる。
c. 株式無償割り当てでは、同一または異なる種類の株式を交付することができる。
d. 取締役会設置会社が、株式の無償割当てをするには、その都度、割り当てる株式の数及びその効力の生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
e. 株式の分割により発行済み株式の総数が増加しても資本金の額は増加しない。
ア. aとd イ. aとe ウ. bとc エ. bとd オ. cとe
解答:エ

a.正しい。 (会社法180条2項1,2号)
b.誤 り。 「限って行うことができる」が誤りで、一定の手続きを踏めば自由の如何を問わず株式の合併をすることができる(会社法180条)。
c.正しい。 (会社法828条1~3項)
d.誤 り。取締役会設置会社が、株式の無償割当てをするには、取締役会の決議によらなければならない(会社法186条3項)。
e.正しい。 (会社法2条31項、445条1項)

問題7. 会社法上の公開会社における資金調達に関する次の文章のうち、会社法の規定に照らし、(  )に入る最も適切な語句の組合せを、以下のアからエまでのうち1つ選びなさい。

東京証券取引所に上場している甲会社は新商品の開発のために以下の資金調達方法を検討している。

(1) 株式の発行
(2) ( a )の発行
(3) 銀行からの借入れ

・ 株式発行についての意見:甲会社の経営や既存株主に対する影響を避けるために、( b )とすることが望ましい。
・ その他の意見:発行のコストを省くという観点では、( c )を処分する方法も考えられる。
ア. a. 社債  b. 議決権がない株式    c. 募集株式
イ. a. 債権  b. 配当請求権のない株式  c. 募集株式
ウ. a. 債権  b. 配当請求権のない株式  c. 自己株式
エ. a. 社債  b. 議決権がない株式    c. 自己株式
解答:エ

a. 社債
b. 「既存株主に対する影響を避けるため」という文章から、議決権のない株式が入る。
c. 「発行のコストを省く」という文章から、自己株式が入る。

問題8. 株主総会の決議事項に関する次のイ~ハとa~eの組合せとして、正しいものを以下のア~オまでのうち1つ選びなさい。

東京証券取引所に上場している甲会社は新商品の開発のために以下の資金調達方法を検討している。

イ. 株主総会の普通決議事項
ロ. 株主総会の特別決議事項
ハ. 株主総会の特殊決議事項

  • a. 取締役の選任
  • b. 吸収合併契約の承認
  • c. 定款の変更
  • d. 社債の発行
  • e. 代表取締役の選任
ア. イとa  ロとb  ハとc
イ. イとb  ロとc  ハとd
ウ. イとc  ロとd  ハとe
エ. イとd  ロとe  ハとa
オ. イとa  ロとc  ハとb
解答:オ

取締役の選任は株主総会の普通決議事項である(会社法309条1項、会社法341条)。
定款の変更は株主総会の特別決議事項である(会社法309条2項)。
吸収合併契約の承認は株主総会の特殊決議事項である(会社法309条3項)。
社債の発行と代表取締役の選任は取締役会の決議事項である。


問題9. 公開株式会社の取締役と取締役会に関する以下のアからオまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア. 取締役の員数は、取締役会非設置会社の場合は1人でもよいが、取締役会設置会社の場合は3人以上が必要となる。
イ. 取締役会が設置されると、必ず代表取締役を設置しなければならない。
ウ. 定款により取締役の資格を株主に制限することができるのは、公開会社に限られる。
エ. 取締役の報酬は、お手盛りの危険を防止するために、定款又は株主総会の普通決議によって定める。
オ. 取締役会を設置していない株式会社では、原則として、各取締役が会社の業務を執行し、会社を代表する。
解答:ウ
ア.正しい。 (会社法331条6項)
イ.正しい。 (会社法362条3項)
ウ.誤 り。 定款により取締役の資格を株主に制限することができるのは、非公開会社に限られ、公開会社では、取締役の資格を株主に限定することはできない(会社法331条2項)。
エ.正しい。 (会社法361条1項)
オ.正しい。 (会社法348条1項、349条1項)

問題10. 会計監査人に関する以下のアからオまでの記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
ア. 大会社では、会計監査人を置くことが義務付けられているが、非公開株式会社である場合はこの限りでない。
イ. 会計監査人は、地位の独立性と監査の継続性を確保するため、株主総会の普通決議によって選任又は解任する。
ウ. 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。
エ. 会計監査人は、いつでも会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧・謄写をすることができる。
オ. 会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである。
解答:ア
ア.誤 り。 「非公開株式会社である場合はこの限りでない」が誤りである。大会社では、公開会社、非公開会社を問わず、会計監査人を置くことが義務付けられている(会社法328条)。
イ.正しい。 (会社法329条1項、339条1項)
ウ.正しい。 (会社法337条1項)
エ.正しい。 (会社法396条2項)
オ.正しい。 (会社法338条1項)

問題11. 次の図は、発起人が株式会社設立のために現金で500万円を出資し、会社法の規定に基づいて行った会計処理の仕訳である。(  )に入る最も適切な語句の組合せを、以下のアからエまでのうち1つ選びなさい。



ア. a. 資本金    b. 資本準備金
イ. a. 資本金    b. 資本剰余金
ウ. a. 資本準備金  b. 資本剰余金
エ. a. 資本剰余金  b. 資本金
解答:ア

(資本金の額及び準備金の額)
1. 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする(会社法445条1項)。
2. 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる(会社法445条2項)。
3. 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない(会社法445条3項)。